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「アイドル？」

招集されたメンバーは聞き慣れない言葉に疑問符を浮かべる。
「本部サクラ様からの言伝です。この日本という場所に発生する様々な問題を解決するため、本メンバーにてアイドル活動を行うとのことです」
「わぁ、楽しそうですっ！魔法も使ってイイですか？」
「わたくし、潜む事を生業にしていたので、そのような心得なんてありませんが……」
「レッスンは行うそうです」
「へぇ…お膳立てはしてくれるわけだね」
「ま、待ってくれ！　私はてっきり戦闘能力を求められているものだと――」
「日本でのアイドル活動を基本といたしますが、必要に応じて他世界の紛争等にも駆り出されるようです」
「その二つが繋がっているようには思えませんが」
「そうでしょうか。問題解決の手段という点で同じでは？」

　いくつかの問答を繰り返したのち、ようやく全メンバーの覚悟が決まり、桜夜が仕切り直す。

「皆様。アイドル活動については納得していただけましたか？」
「ん……まあ、抵抗が全く無いかと言えば嘘になるが、個人的な感情で止まるわけにはいかないだろう」
「やるしかないって事ですね♪」
「ボクは面白ければなんでもいいよ」
「それでは異存なしということで、現時点を以て私達はアイドルグループ『新世紀マーベラス』のメンバーとなりました」
「新世紀……」
「……マーベラス？」
「はい。新世紀は新しい時代、マーベラスは素晴らしいといった意味だそうです」
「……なるほど、確かに世界を変えるというのなら相応しい名前だな」
「わたくしたちの門出にぴったりですわねフフ」
「エマたちの名前をこの世界に轟かせるチャンスなのです！」
「まぁこれでしばらくは楽しめるかな…」
「本部サクラ様より通信が入りました」
「マーベラスの諸君、結成おめでとう！君たちはこれから様々な困難に直面するだろう。だが、君達は今この時から決して一人ではない！君達の出会いは運命だった。新しい時代の幕開けを共に迎えようではないか！さぁ！羽ばたくのだ！」

全てはこれからだ。